昔、川津の郷に杉桙別命(すぎほこわけのみこと)という、大変武勇に優れた神様がおられました。お顔はきついが心はとても優しい神様でした。
ある日、命(みこと)がお酒に酔って野原の石によりかかり気持ちよく眠っていると、いつのまにか燃えさかってきた野火が、すっかりあたりを取りまいてしまいました。
その時でした。空が急に暗くなり、ポツリポツリと大粒の雨が降ってきました。暗くなったのは、何千、何万という鳥で空がいっぱいだったからです。その鳥が、河津川に飛び込んでは命(みこと)の上に飛んできてはばたき、雨のように水を落とし火を防いでいたのです。危うく命が助かった命(みこと)は、鳥たちに礼を言うと、鳥たちも安心したようにそれぞれの山へ帰っていきました。
命(みこと)は鳥たちに手を振り、別れを惜しみながら考えました。「お酒が大好きで、飲みだすと酔いつぶれるまで飲んでしまう。平和な村なのでつい気をゆるめすぎた。これからは、お酒を飲むのをつつしみ、村人の幸せのために心を入れかえ、がんばろう。」
それからあとは、大好きだったお酒もつつしんで、村の平和のために力を尽くしました。河津は、ますます平和な郷になったということです。
今でも河津町の人たちは、神様の心を忘れないように、毎年12月18日から6日の間、お酒を飲まない、鳥を食べない、卵も食べない、という「鳥精進・酒精進」を守っています。もしも、これを破ると、火の災いにあうと信じています。
河津平野の大きな森の中にある源頼朝の崇敬あつかった古社。
境内には国の天然記念物である周囲約14m、樹高約24mの樹齢約1000年以上といわれる楠の木がある。
12月18日から23日まで、鳥と酒を断つ「鳥精進・酒精進」の風習が残っている。
場所のご案内
伊豆急線河津駅から徒歩10分
 |
河津町役場 産業振興課  |
| TEL 0558−34−1946 |
| 静岡県賀茂郡河津町田中212−2 |